塾と親とが手を組めば、効果的なフィードバックを期待できます。つまり、成績を伸ばすための方法、ノウハウを蓄えている塾が、指導の細部を変更するたび、保護者にその成果を伝えることで、子どもにとってどの指導法、教育法が適切なのかが分かるようになるのです。塾の指導法は多種多様であり、勉強が嫌いな子どもたちを机に向かせる方法もユニークなものばかりです。基本的には短期的な目標を繰り返し掲げさせて、徐々に最終ゴールに近づいてもらうのが常道ですが、中には最終ゴールが近づいても、自分で動き出すことの出来な子どももいます。そのような子どもたちに最終ゴールを意識させる手段として、講師が善人、悪人を演じることがあります。家庭ではどうしても子どもにお世辞を言うことが出来ません。些細なことで親が子どもを褒めることは難しいものです。しかし講師であれば、子どものちょっとした成長を褒めてあげられます。褒められる経験の少ない子どもにとっては非常に嬉しい体験となり、延いては学習意欲に結び付くのです。このように塾を捉えると、受験対策のエキスパートであると同時に、教育機関の一種であることが分かります。
塾には理念もありますが、それを具体化するノウハウもあります。ノウハウは細かな点にまで及んでおり、教材、講師の性格等も吟味されています。どの塾にも優秀な講師が沢山在籍していますし、彼らは子どもたちの味方です。しかし一人一人の講師の素晴らしさをここで紹介するわけにもいきませんから、評価されているシステムを具体的に説明することにします。例えば5年生で学ぶ算数は、受験勉強の中核となります。どの塾もそのことを強く認識していますから、独自の戦略を立てています。