昔の豪傑教師のような公私の別なく生徒の相談相手になってくれる教師も今では雑業務に追われなかなかできていない、という話も聞くとそれも塾の講師や関係者が補っているのではとさえ考えてしまいます。そのようなことは案外塾に関係していないとわからないものです。勉強を通じて生徒と真剣に対峙できる場が、学校から塾へシフトしているとも言えるかもしれません。よく言われる「家庭教育」「学校教育」「社会教育」に更に塾での教育を加えてもおかしくないとさえ言われています。確かに週5日制となった現在では、平日は塾で過ごす時間は学校のそれの半分ぐらいとしても、土日も塾へ通う子供にすれば週当たり学校と塾で過ごしている時間は大して変わらなくなっているのかもしれません。子供たちも進学という切実な事情があるので、いきおい関係した話のほかいろいろな悩みを、塾の講師や関係者へ向けられてもおかしくありません。塾側でもそのような相談にのれるよう情報収集・分析を行っていることでしょう。そう考えていくと、現在の塾が果たしている役割の大きさに、改めて驚かずにはいられません。