学校内で行われる塾の授業

塾業界では早いうちから採用が検討され、導入されていったICT(Information and Communication Technology(情報通信技術))を応用した映像配信による遠隔授業やパソコン学習。公的教育機関でもようやく検討が開始され始めています。そんな中、2008年には、公私教育機関共同の取り組みが行われました。都内の区立中学での有料の補習授業。対象は成績優秀者とのことで、いわゆる「吹きこぼれ」対策の一環で行われたのでしょう。それが今では多くの公立校、私立校で塾講師によるこういった授業が行われているそうです。あるいは映像授業を校内で受講できるようにした学校も出てきていると言われています。昔は、公共放送をTVで視聴する授業はありましたが、これはあくまで一方通行の単なる教育番組の視聴でしかありませんでした。私的教育機関が制作した映像授業を学校内で受けられると聞き、隔世の感を禁じ得ません。更に進んで2013年には学校内で個別指導とも言える対面でのサービスも塾関係者が学校を訪れて実施されたという話もあります。ここまでくると、どちらがメインの教育機関なのかわからなくなってきます。なかなか新しいことを導入できない公的教育機関と効果ありとみるや次々と試験実施から本格実施へ歩を進められることのできる塾等の私的教育機関のフットワークの違いが如実に表れてきているとしか思えません。